カテゴリー: 滑川H邸 天井 腕木 2020.12.7

滑川H邸徹底解剖 ⑫後付けのベニヤ天井

味のある階段を上って2階を覗いてみましょう。

昔の階段は勾配のきついものが多い

2階は2部屋あります。

 

西側に8畳、東側に6畳。

1階の座敷と前ノ間の直上に位置します。

 

写真は西側の8畳で、2階の廊下から部屋の南側を見たところです。

左側のガラス障子戸は、東側の6畳間との間仕切りです。

西側の8畳間

この部屋でパッと目につくのは、低く張られたベニヤの天井です。

 

天井板の下には小屋梁の下端が見えます。

これは、そのまま南側に飛び出して腕木を兼ねていました

参照:出桁造り)。

 

 

小屋梁は南側の窓のすぐ上に配置されており、梁の上端までの高さは

だいたい2,100㎜くらい。

低いですね。

 

古民家の改修では、天井板を撤去して重厚な小屋裏を見せるのが定番です。

滑川H邸も、この低くて圧迫感のあるベニヤ天井は撤去することにしました。

 

 

部屋から廊下に出てみましょう。

階段を上がった位置にある廊下

東側6畳間と西側8畳間のあいだに大黒柱が見えます。

 

大黒柱の上には腕木を兼ねた小屋梁が乗っています。

廊下には天井が張られていないので、小屋裏がそのまま見えます。

 

 

大黒柱の頭をよく見ると、ケヤキの曲がりをそのまま使い、

その上に小屋梁を載せていました。

 

ツルッとしたケヤキ柱の表面とゴツゴツした小屋梁の対比。

とても趣きがあっていいですね。

 

鴨居の上には部屋側から張られたベニヤの小壁、

その上にベニヤ天井を載せる野縁、野縁の上にベニヤ板が少し見えます。

ただし、小屋梁の側面には天井が張られていた形跡が見られません。

壁を立ち上げた跡もありません。

小屋梁には天井を張った跡も、壁をつくった跡もありません

そこから、2階の部屋には当初から天井がなく、小屋裏がそのまま見えて

いたのではないかと推測されます。

 

天井が張られていなければ、床から2,100㎜という低い位置に小屋梁があっても

さほど圧迫感を受けなかったでしょう。

 

廊下には天井がないので、次回は廊下から小屋裏の中を覗いてみましょう。

[関連する記事]

カテゴリー: エアコンのいらない家 メディア掲載 2020.11.14

「コノイエ」でインタビューを受けました

あんしん解体業者認定協会が運営するサイト「コノイエ」で 代表の山田が取材を受けました。 「エアコンのいらない家」の仕組みや意義について語っています。 マンガの吹き出しのようなデザインで、インタビュアーさんとやり取りしています。 ぜひ、ご… 続きを読む »

カテゴリー: 滑川H邸 破風 2020.10.1

滑川H邸徹底解剖 ⑧金物と小庇

ぐるっとまわって、東側の妻面です。   2階の梁間(建物の幅)が2間半(4,550㎜)なので、小ぶりなかわいさが際立っています。 妻面に正対して見ると、破風板の形がよく分かりますね。 写真左側(南側)の軒の出は約4.5尺(1,… 続きを読む »