滑川H邸徹底解剖 ⑩一段低い差鴨居の謎
座敷から前ノ間のほうを見てみましょう。 現在は、い草シートが3列敷いてあるので畳が隠れていますが、 前ノ間は6畳です。 右側が玄関土間、左側が大阪障子、正面が「通り土間」との境の転用障子+壁です。 特徴的なの… 続きを読む »
滑川H邸徹底解剖 ⑨大阪障子の仕事の細かさ
玄関から中に入ると、すぐにガラス戸があります。 その戸を開くと、前ノ間〈まえのま〉とも言うべき6畳の部屋が現れます。 パッと目に付くのは、格子戸です。 1間半(9尺=2,730㎜)の間を4枚建てとしています。… 続きを読む »
滑川H邸徹底解剖 ⑧金物と小庇
ぐるっとまわって、東側の妻面です。 2階の梁間(建物の幅)が2間半(4,550㎜)なので、小ぶりなかわいさが際立っています。 妻面に正対して見ると、破風板の形がよく分かりますね。 写真左側(南側)の軒の出は約4.5尺(1,… 続きを読む »
滑川H邸徹底解剖 ⑦2つの下見板
1階西側の妻壁を見てみましょう。 この壁も、全面に押縁下見板を張っています。 2階は内部の梁が少し外に出ていましたが、こちらはすべてフラットです。 この押縁下見板は、厚さ2分(6㎜)程度の下見板を下から少しずつ重ねて張り、… 続きを読む »
滑川H邸徹底解剖 ⑥破風板の幅
西側の妻面を見てみます。 妻面とは、屋根の棟と直交している面のことです。 滑川H邸の場合は、建物の側面になります。 ここは通常、真壁として小屋梁と化粧貫を見せるやり方が定番です。 しかし滑川H邸では、押縁下見板を張って梁組… 続きを読む »
滑川H邸徹底解剖 ⑤床下ふさぎ板の菱形の孔
縁側の足元を見てみましょう。 まず、高さ50㎜程度のコンクリート製基礎があります。 基礎には床下換気口が取り付けられています。 基礎の上に土台が廻っています。 サッシを載せている縁框〈えんがまち〉と土台の間には床下をふさぐ… 続きを読む »
滑川H邸徹底解剖 ④3種のガラスと猿頬面
玄関の右側には引違いの腰窓があります。 その下の腰壁は押縁の板張りです。 ガラスは真ん中だけ透明で、周りは摺りガラスです。 中央上下の細く囲まれた部分だけは、ガラスが梨地〈なしじ〉模様になっています。 梨地とは、表面が梨の肌のようにザラ… 続きを読む »
滑川H邸徹底解剖 ③一本物の丸桁
1階に注目してみましょう。 間取りでいうと、右側が玄関、その左側が縁側、写真では見えませんがその左側が戸袋です。 掃き出しのアルミサッシの上はガラスの欄間になっています。 欄間は柱間の2間半(15尺=4,550㎜)を3等分… 続きを読む »
滑川H邸徹底解剖 ②出桁造り〈だしげたづくり〉
外観から分かる構造上の特徴を見てみましょう。 ぱっと目に飛び込んでくるのが、2階の「出桁造り」〈だしげたづくり〉です。 2階の窓の上に、軒先に向かって「腕木」〈うでぎ〉が出ているのが分かります。 その腕木が先端で桁〈けた〉… 続きを読む »
滑川H邸徹底解剖 ①小ぶりなサイズにビシッとした瓦
現在、「古民家〈断熱〉リノベーション」が改修している古民家「滑川H邸」(埼玉県)。 よく晴れた暖かい日に、改修前の写真を撮影してきました。 撮影した写真を見ながら、この建物ならではの特徴を解説してみたいと思います。 この古… 続きを読む »
屋根は瓦が古民家らしい ①耐久性なら瓦一択
古民家の瓦屋根をどうすべきか? 改修の際、非常に頭を悩ませる問題です。 古民家らしい外観をキープするなら、むろん瓦のままがよいでしょう。 ただ、前回までにお話ししたとおり、古い瓦がそのまま使える… 続きを読む »