以前、分電盤の話をしたときに「アンペアブレーカー」について少し取り上げました。
その家の契約アンペア数は、たいていアンペアブレーカーに書いてあるという話でした。
しかし、「アンペアブレーカーがない分電盤もあるよ」というご指摘をいただきましたので、
少し補足しておきます。
分電盤にアンペアブレーカーがない場合は、大きく2つあります。
①特定の電力会社と契約している場合
②スマートメーターに交換した場合
①特定の電力会社と契約している場合
特定の電力会社というのは、関西電力、中国電力、四国電力、沖縄電力の4事業社です。
これらの会社と契約する場合は、契約アンペア数による基本料金がなく、
定額の最低料金+電力を使った分だけ料金を支払う「最低料金制」が基本になります。
なので、分電盤には最初からアンペアブレーカーが付いていません。
北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、中部電力、九州電力は「アンペア制」なので
分電盤にアンペアブレーカーが付きます。

分電盤の図解。左からアンペアブレーカー(サービスブレーカー、契約用安全ブレーカー)、漏電ブレーカー(漏電遮断器)、安全ブレーカー(配線用遮断器、回路用ブレーカー)。安全ブレーカーには20Aのブレーカーが設置されていますが、安全性を考慮すると1回路で同時に使える電気の量は15Aが目安です
②スマートメーターに交換した場合
スマートメーターというのは、デジタル式の電力メーターのことです。
昔のアナログ式のメーター(円盤がぐるぐる回るやつ)は、検針員さんが月一で
電力の使用量をチェックしに来ていましたが、デジタル式になるとそれが不要になります。
使用量のデータがそのまま電力会社に送られるのです。
これまでメーターの検針員として働いていた人は今後どうなってしまうのか・・・。
余計な心配ですが気になります。

懐かしいアナログメーター。スマートメーターに変わると検針員さんともお別れ
スマートメーターはメーター内部にアンペアブレーカーの機能が設定されます。
なので、分電盤にアンペアブレーカーを設置する必要がなくなるのです。
現在は全国的にスマートメーターへの交換が進められています。
古民家の分電盤を新しくする場合もメーターはスマートメーターに刷新されますので、
分電盤はアンペアブレーカーがない仕様に変わります。

スマートメーター。なんでもデジタル化の時代です