はじめての古民家におじゃましたとき、電気設備関係でまず確認するのが分電盤です。
分電盤とは電力会社から供給された電気を、文字どおり各部屋や用途別に
分配していくための設備機器です。
最近は少なくなりましたが、昔の家は、たとえばテレビとエアコンと電子レンジを
使っているときに、同時に掃除機をかけたり、ドライヤーを使ったりすると、
電気の容量(契約アンペア数)がオーバーしてブレーカーがすぐに落ちていました。
照明も消えて家の中が真っ暗になるわけですが、そんなときは分電盤のあるところに行って、
落ちたブレーカーのスイッチを再び元に戻す作業が恒例になっていたものです。
配線や家電が漏電を起こしたときも、ブレーカーが落ちて事故を未然に防いでくれます。
この分電盤があるおかげで電気設備の安全が守られるのです。
まさに、電気関係の要といえる設備です。

とある古民家の分電盤。建物は築120年以上、明治時代の古民家です。この分電盤は1980年代に設置されたものではないかと思われます
古民家の分電盤がそのまま利用できるか否かは、
ひとまず「建物や分電盤が現役でいつ頃まで使われていたか」で判断します。
最近まで使われていれば再利用の可能性はありますが、そうでなければ分電盤を含め、
電気配線関係はすべて撤去して新たに配線し直したほうがよいでしょう。
古い配線をそのまま使用すると漏電火災の危険があるのです。
ちなみに、分電盤の交換だけなら費用は10万円以内です。
幹線の交換になると距離や
屋内配線を一新するのであれば分電盤を任意の位置に新設できるという
メリットがありますが、費用は新築