カテゴリー: 分電盤 電気通信設備 2020.2.2

古い分電盤はそのまま使えるか? ②アンペア数の検討

分電盤の再利用を検討する際は、契約アンペア数の確認も必要になります。

 

これは古民家も新築も同じですが、電気を使用するときは

あらかじめ「契約アンペア数」を決めて電力会社と契約しなければなりません。

 

建物内で同時に使用できる電化製品の数は契約アンペア数に応じて決まりますので、

電化製品の利用が多い家庭であれば大きめにしておく必要があります

(そのぶん基本料金は上がります)。

 

一般的な住宅であれば、契約アンペア数は20A~60A程度です。

カフェなどに転用する場合であれば、規模にもよりますが最低40Aはほしいところです。

アンペアブレーカー。契約アンペア数はここに数字が書いてあります。契約数以上の電気を使うとこのブレーカーが落ちる仕組みです(写真はマンションの分電盤)

古民家に設置されている分電盤を見ると、1980年代頃までに設置されたものなら

契約アンペア数はほとんどが20Aか30Aです(アンペアブレーカーに数字が

書いてあります)。

 

20A、30Aというアンペア数はなかなか微妙な数字です。

利用者の人数やライフスタイルによって、20Aで足りる場合もあれば

30Aではまったく足りない場合もあるからです。

 

足りなければアンペア数を増やさなければなりませんので、

電力会社に連絡して分電盤の交換をしてもらったり、

幹線(電柱からメーター、分電盤まで)を張り替えてもらったりします。

 

つまり、古い分電盤をそのまま利用できるか否かは、ハードとしてのコンディションも

さることながら、利用者のライフスタイルによってもずいぶん変わってくるということです。

 

さらに、30Aまでの古い分電盤は200Vの電源が使えないという問題をはらんでいます。

特に古民家をカフェなどに転用する場合は200vの電源が使えないととても困ります。

 

この問題については、次回「単相2線式100V問題」であらためてお話しします。

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