玄関の右側には引違いの腰窓があります。
その下の腰壁は押縁の板張りです。

素敵なデザインの窓
ガラスは真ん中だけ透明で、周りは摺りガラスです。
中央上下の細く囲まれた部分だけは、ガラスが梨地〈なしじ〉模様になっています。
梨地とは、表面が梨の肌のようにザラザラしたものをいいます。

3種類のガラスを使い分け
写真では分かりづらいですが、ガラスの周りの桟は
面を大きく付けた「猿頬面」〈さるぼおめん〉(エテボオ面とも)です。
ガラス窓や座敷の竿縁天井などによく用いられる加工です。
面を取ると多少手間がかかりますが、それでも桟を細目に見せたかったのかもしれません。
これは別の住宅の天井の写真ですが、猿頬面とはこのような形をいいます。
断面が猿の頬の形に似ていることからその名が付けられました。

猿頬面
本物の猿の頬はこちら。
まあ、同じといえば同じですね。

猿の頬?
いまの人はこの形から猿の頬を思い浮かべるのは100%無理ですが、
昔の人にとっては、わりとあたり前のことだったのかもしれません。