瓦屋根や外壁は改修前と同じです。
南側の外廻りで主に変わったのは開口部です。
掃出し窓と玄関の引き戸は改修前からアルミ製に変更されていましたが、
今回もアルミ製ではあるものの新しいものに取り替えました。
玄関東側の窓は木製でしたが、こちらもアルミ製に変更しました。
これら3カ所とも以前はすべてシングルガラスで熱を通しやすかったので、
今回ペアガラスに変更して断熱性能を大幅に向上させています。
雨戸がないので戸袋は不要ですが、戸袋は南側の意匠の大切な構成要素なので、
東側の腰壁の下見板とともにそのままにしています。
玄関土間の仕上げはモルタルです。
玄関のスペースはあまり広くとれないので、
縁側とリビングダイニングから上り下りできる最小限の木製ステップに変更しました。
次に縁側。
写真は縁側から玄関側を見たものです。
以前は東側の通り土間との間に、後から付け足された仕切り壁と
ドアがありましたが、必要がないので撤去して土間を広くしました。
こちらは縁側を反対から見たところ(縁側の西側です)。
以前は家具などが置かれていましたが(※想像です)、
座敷と同じように下地の土壁はそのままに、壁の内側にボード系の断熱材を張って、
物入れとしました。
扉は付けていません。
古民家は開口部が多いので、建具の数を抑えると工事費の減額になります。
縁側の床下はこんな感じ。
縁側は下屋なので、屋根裏と床下にもしっかり断熱材を入れています。
床下全面に防湿コンクリートを打設し、鋼製束を立て、大引・根太などの
床組をすべて新しくしました。
古民家は材料が貴重だった時代に建てられているものなので、
床組は転用材を使っていることが多くあります。
そのため、不陸や曲がりがあって水平のレベルが取りにくいことが
多々あります。
材料が貴重なものでない限り、改修を機に取り替えると
断熱材をしっかり入れられたりレベル調整の余計な手間が掛からず、
コストダウンにつながります。