カテゴリー: 滑川H邸 古民家改修 ダイニング エアコンのいらない家 キッチン 2021.9.10

滑川H邸竣工しました ③キッチンは20cm下がり

改修前、前ノ間の東側には玄関から続く「通り土間」がありました。

今回の改修ではここにキッチンを新設しています。

物置きになっていた通り土間

キッチンになりました

反対側から見た改修前

いい感じです

もともと通り土間は、2階が載っていない下屋でした。

天井は張られておらず、屋根裏がそのまま見えていました。

 

床は土足のまま歩けるモルタル仕上げで、玄関と東側から出入り可能。

 

 

ここをキッチンに改修するにあたり、まずは屋根裏に繊維系断熱材を入れて

板張りで仕上げました。

天井は水平に張るほうが楽ですが、狭い部屋だと圧迫感があるので、

天井高さを稼ぐために屋根勾配なりに斜めに張っています。

キッチンの天井は屋根勾配なりに

梁との取り合い部などに施工手間が多少掛かりましたが、繋ぎの曲がり梁が天井の途中から

見えていて、いいアクセントになったように思います。

 

 

改修前は差鴨居の下に掃出しのサッシがあり、東側の外部から出入りできましたが、

改修後は出入りの必要がないので流し台の前を腰窓に変えています。

左の掃き出しはなくなりました

腰窓に。キッチンの前が明るいと気持ちがいいですね

床は板張りに変更。

 

改修前は土間と前ノ間の床に40cmほどの段差がありました。

床はリビングダイニングの床と同じ高さで仕上げたいところですが、

そうするとキッチンの天井高さが確保できません。

そこで、あいだを取って20cm下がりをキッチンの床レベルとしました。

ダイニングから20cm下がったキッチン

キッチンとリビングダイニングとの間に段差があると不便なようですが、

20cmといえば階段1段分くらいの段差なので、慣れれば問題ありません。

 

食器などを持って移動するとき、段差が数センチくらいだと逆に中途半端で

つまづくことがあります。

こういうときは、段差をつくらないか、階段1段分くらいはっきりつくるかの

どちらかですね。

 

 

キッチンの床レベルが1段下がると、リビングダイニングのイスに座った目線と

キッチンに立ったときの目線の高さが近くなり、互いに親密さが増すというメリットも

あります。

家づくりでは「目線の高さ問題」が常について回りますが、そういう意味では

うまく処理できたように思います。

目線の高さ問題もうまく解決

キッチンはオールステンレスのシンプルな業務用です。

お施主さんがご自身で新古品を見つけて手配されました。

ステンレスが神々しい

手前の棚は、キッチンとリビングダイニングの両方から使える配膳台です。

これがあるとないとでは便利さがずいぶん変わります。

 

キッチンの設計でいちばん大切なのは「配膳台!」といってもいいくらいです。

[関連する記事]

カテゴリー: 滑川H邸 古民家改修 ダイニング エアコンのいらない家 座敷 差鴨居 建具 2021.8.22

滑川H邸竣工しました ②ダイニングは板張りに

二間続きの和室のうち、前ノ間はダイニングに変更しました。   壁の仕上げは座敷と同じですが、床を畳敷きから板張りに変えて テーブルや椅子を置けるようにしています。 現在、古民家を改修する場合は、座敷は残すもののそれ以外の部屋は… 続きを読む »

カテゴリー: 滑川H邸 古民家改修 エアコンのいらない家 断熱気密 床の間 建具 2021.8.14

滑川H邸竣工しました ①座敷はリビングに

築60年超の古民家をエアコンのいらない家仕様で改修した滑川H邸。 竣工写真と見比べながら、ビフォーアフターを解説していきます。   まずは座敷。 これまで座敷と呼んでいた場所は、いまふうに言えばリビングに 変わりました。 元の… 続きを読む »