カテゴリー: 瓦屋根 仕上げ 2020.7.2

屋根瓦のここを見よ ⑤千鳥しばり

危ない瓦の見分け方、最終回です。

 

 

昔の瓦葺きのなかには、棟の部分を針金でしばっているものがありました。

写真は「千鳥しばり」と呼ばれるしばり方です。

千鳥しばり。この屋根は瓦や面戸、棟の状態は非常によく保たれています。が、棟の工法が旧式。非常に惜しいです

よく見ると、いちばん上の「棟瓦」とその下の4枚の「熨斗瓦」は、

針金を巻いて一つにまとめてあります。

 

しかし、その下の「台熨斗瓦」、さらに下の屋根本体とは結ばれていません。

 

 

つまり、ただ載っているだけ。

 

 

ということは、地震や風の強い力を受けると棟が崩れてしまいます。

 

 

 

棟に針金を巻く工法は昔のやり方です。

 

平成13年以降に補修工事を行ったものは、現在の基準に合わせた耐震性のある工法で

施工されていると思います。

 

これについては、別の機会に詳しくお話ししましょう。

 

 

 

以上、危ない瓦シリーズでした。

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